助けたい気持ちが、未来を変えていく。胡嬌と許清嘉、そして周囲の人々の絆が深まる中、心を揺さぶる新たな展開が次々と。
Contents
「玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~」第17話 あらすじ:優しさの連鎖と、小さな希望の花(ネタバレあり)
胡嬌は許清嘉とともに、李大哥の家を訪れた。鉱山の事故で足を負傷し、妻を亡くした李大哥は、幼い子供たちと共に困窮していた。荒れた家の中で肩を寄せ合う親子の姿に、胡嬌の胸は締めつけられる。彼女は決意した。「私ができることをしよう」と。
その日から、胡嬌は学堂で食事を出すことにした。子供たちの健康を守り、学ぶ力を養うために。彼女の優しさに心を打たれた玉娘も、手を貸すことを申し出た。二人の協力によって、学堂は活気を取り戻し、子供たちの笑顔が増えていく。やがて生徒たちは胡嬌に感謝の意を込めて、学堂の庭に花を植えた。色とりどりの花が、彼女の善意を象徴するかのように咲き誇る。
しかし、穏やかな日々は長く続かなかった。上庸県では薬の価格が急騰し、学堂の経費がかさみ、胡嬌は困り果てる。そんな中、玉娘が「薬草を採りに行きましょう」と提案した。二人は山に分け入り、貴重な薬草を採取。胡嬌はそれを薬膏に加工し、市場で販売することで資金を得ることに成功する。
彼女の努力を目の当たりにした李大哥は、感謝の気持ちを込めて手料理を振る舞った。湯気の立つ食卓を囲みながら、胡嬌は人の温かさに胸が満たされるのを感じる。そして、そんな彼女の姿を見つめる許清嘉の瞳もまた、これまでとは違う優しい色を帯びていた。二人は互いの存在の大切さを実感し、ついに心を通わせる。
そんな折、寧王が許清嘉を訪ねてくる。彼は自身の悩みを打ち明け、息子・小貝を預かってほしいと頼んだ。胡嬌と許清嘉の人柄を信じ、子供の未来を託そうと決めたのだ。その言葉に、二人は新たな責任を感じながらも、前を向いて歩んでいくことを誓う。
こうして、胡嬌と許清嘉は支え合いながら、地域に根ざした温かな暮らしを築いていく。困難の中にこそ、人の絆が生まれ、愛が育まれることを証明するように――。
\ここがポイント!/
- 胡嬌の善意が学堂と地域に温かな連鎖を生む
- 薬の高騰という新たな問題とそれに挑む胡嬌の覚悟
「玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~」第18話 あらすじ:わがまま少年・小貝に訪れた変化
寧王の息子、小貝は許清嘉の屋敷に預けられることになった。幼い頃から甘やかされ、わがまま放題に育った彼にとって、これは初めての環境の変化だった。しかし、小貝はその変化を受け入れるどころか、周囲を振り回すことになる。
胡嬌が小貝の教育係に任命されるが、彼の態度は頑なだった。礼儀を教えようとしても、彼はまるで聞く耳を持たず、学堂でも好き放題に振る舞った。そして、ある日の武道の稽古中、小貝は同級生を本気で蹴り飛ばしてしまう。相手は怪我を負い、学堂は騒然となった。
「これはもう、放っておけない!」
胡嬌はついに怒り、厳しく叱責すると、小貝の尻を叩いて罰を与えた。屋敷に戻ると、その話を聞いた許清嘉が胡嬌に謝罪した。彼は胡嬌に感謝しつつも、「できれば暴力ではない方法で導いてほしい」と頼む。胡嬌もその言葉に一理あると感じつつ、小貝をどうすれば改心させられるのか、思案するのだった。
そんな中、小貝は高級画仙紙に落書きをしてしまう。胡嬌が叱ると、彼は反省するどころかふてくされるばかり。そこで胡嬌は、ある決断をする。
翌日、小貝を貧民街へ連れ出したのだ。そこで目にしたのは、寒さと飢えに苦しむ人々の姿。小貝は戸惑いながらも、次第に彼らの現実を理解し始める。そして、無邪気な表情のままこう言った。
「新しい画仙紙を買って、あの子たちに渡してあげたい」
その言葉に、胡嬌は静かに微笑んだ。小貝の心に、小さな変化が芽生えた瞬間だった。そして、この経験は胡嬌にとっても、子どもを導くことの難しさとやりがいを改めて考えさせるものとなった。
\注目ポイントはこちら!/
- わがまま放題だった小貝に変化の兆し
- 胡嬌が体験から導く教育の手応え
「玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~」第19話 あらすじ:誘拐未遂と、始まりの旅立ち
夜の学堂にひっそりと忍び寄る影――小貝は静かに眠っていたが、黒装束の男が近づき、彼を麻袋に詰め込もうとする。だが、異変を察知した阿嬌はすぐさま駆けつけ、高正と共に男を捕える。誘拐未遂を阻止された小貝は平静を装うが、阿嬌の優しい言葉に触れた瞬間、こらえていた涙があふれ出た。その姿に、彼の心の成長を感じ取る阿嬌。
この一件は寧王の耳にも届き、彼は小貝の変化に深く感動する。そして、阿嬌の教育の功績を認め、許清嘉を庸州府の通判に推薦する決断を下す。こうして、阿嬌と許清嘉は新たな地へと旅立つこととなった。高正と玉娘に見送られながら、二人は未知の未来へ向かって歩みを進める。
旅の途中、彼らはある男と出会う。彼は大切な薬を水に落としてしまい、絶望のあまり自ら命を絶とうとしていた。胡嬌は男の必死の思いを察し、薬の効果は完全に失われたわけではないと励まし、薬を買い取る。その温かな行動が、男の命を救うこととなった。
やがて庸州に到着した二人を迎えたのは、胡嬌の兄・胡厚福と友人の林翠だった。再会の喜びも束の間、胡嬌は兄に自らの夢を語る。「私はこの地で薬屋を開きたいの」と――新たな環境の中で、それぞれが自らの道を見つけようとしていた。
小貝の誘拐未遂から始まった騒動は、一つの別れと新たな旅立ちへとつながっていく。阿嬌と許清嘉の未来には、どんな試練と希望が待ち受けているのだろうか――。
\この回の見どころ!/
- 小貝の誘拐未遂と心の成長
- 阿嬌と許清嘉の新たな旅立ちと出会い
「玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~」第20話 あらすじ:正義と腐敗、兄妹の覚悟
高正は、かつての威厳とは裏腹に、今や名ばかりの役職に追いやられていた。新たに就任した知府の影響で、彼の権限は大きく制限され、腐敗した役人たちが幅を利かせている。かつての誇り高き自分を思い出すたび、胸の内に悔しさが募るばかりだった。
そんな高正に、玉娘はそっと好意を示した。しかし、高正はその気持ちを受け止めることができず、いつものようにはぐらかす。自分が今の立場で誰かを受け入れる資格があるのか??彼は心の整理がつかずにいた。玉娘の視線が切なげに揺れるのを感じながらも、彼はただ黙って目を逸らすしかなかった。
一方、胡嬌の兄は薬の買い付けに向かっていたが、突如ごろつきに襲われてしまう。街の治安は悪化の一途をたどり、役人たちの腐敗は見て見ぬふりを続ける。そんな中、許清嘉は襄州府の生薬市場が南封斎によって牛耳られていることを知る。怒りに震える彼だったが、湯澤に相談すると「今は動くな」と制止されてしまった。「正義だけでは太刀打ちできぬ相手もいる」??湯澤の言葉が、許清嘉の胸を締めつける。
それでも、高正は胡嬌の兄を助けようと奔走する。しかし、圧倒的な力の前に、今の彼にはできることが限られていた。無力感を噛み締めながら、それでも彼は諦めなかった。
その頃、胡嬌は兄を襲ったごろつきの背後に役所の者が関わっているのではないかと疑い始める。彼女の中で、怒りがふつふつと燃え上がる。こんな理不尽が許されるはずがない??家族を守るため、彼女はある決意を固めた。
やがて、ごろつきたちは許清嘉のもとへと謝罪に訪れる。だが、彼らは「自分たちは知府とは無関係だ」と主張した。その言葉が真実かどうかはわからない。それでも、今の襄州府に巣食う腐敗の根はあまりに深く、簡単に正せるものではないことを、皆が痛感していた。
胡嬌はついに、兄のために動くことを決意する。泣き寝入りするつもりはなかった。彼女の目には、覚悟と決意の光が宿っていた??これが、愛する家族を守るために戦う者の瞳だった。
\見逃せないポイント!/
- 高正の葛藤と玉娘の切ない想い
- 府内の腐敗に立ち向かう兆しと兄妹の絆
感想
心に沁みる優しさと、乗り越えるべき現実が交錯する回。胡嬌の行動力と包容力が、周囲の人々の心を少しずつ変えていく姿に引き込まれます。
小貝の成長や、新天地への旅立ち、腐敗に立ち向かう決意など、家族・社会・恋愛が織り交ざった濃密な展開。静かな感動とともに、次回が待ちきれなくなる構成です。