星漢燦爛

【ネタバレあり】「星漢燦爛」第17話・第18話・第19話・第20話のあらすじ&感想-視聴前に知っておきたい注目ポイントも!

星漢燦爛

婚約宴の裏で囁かれる冷たい噂、まさかの別れの言葉、そして復讐の刃が振り下ろされる―愛と忠義が交錯する中、それぞれの「決断」が未来を大きく動かしていく。守るための選択が、心を引き裂く。

「星漢燦爛」第17話 あらすじ:静寂の裏に潜む刃

郊外の風が強まる中、樊昌は逃げるように馬を走らせていた。監獄を抜け出したばかりの体は重く、息が詰まりそうな緊張が続いている。たどり着いたのは、人の気配がほとんどない別荘だった。そこが彼の隠れ家となるはずだった。

しかし、安心したのも束の間、黒衣の男たちが音もなく現れる。目には冷たい光があり、その手には刃が握られていた。彼の息が止まった。全ては肖世子の仕組んだことだった。口封じ、それ以外に理由などなかった。

剣が振り下ろされる寸前、馬の駆ける音が響いた。現れたのは凌不疑だった。黒衣の者たちを躊躇なく斬り伏せていく。無表情で、静かに。すでに樊昌の行動を予期していたというその姿に、樊昌は背筋が凍る思いがした。助けられたはずなのに、彼はただ立ち尽くしていた。

その頃、程少商は病床に伏せる母、蕭元漪の看病に付き添っていた。母の顔色を見つめながら、心はどこか落ち着かなかった。屋敷の空気が、日に日に張りつめていく。何が起きているのか、説明はなかったが、樊昌の名前が聞こえるたび、胸がざわついた。

その静けさを破ったのは、袁慎だった。彼は突然、家庭教師として名乗り出る。礼儀正しく、穏やかなその態度に、程家の人々は驚きを隠せない。けれど少商は、それがただの申し出ではないとすぐに気づく。彼の視線の向かう先、自分の方にある思いに。

家の外でも内でも、何かが変わり始めていた。冷たさと優しさ、守られることと見張られること。全てが背中合わせになっていた。

\ここがポイント!/
    • 逃亡した樊昌が追手に囲まれる中、凌不疑が現れて救出するが、その冷静な行動に樊昌は恐怖を覚える
    • 家庭内では蕭元漪の看病を通じて少商が母との距離を感じながらも、袁慎の登場によって新たな緊張が生まれ始める

「星漢燦爛」第18話 あらすじ:言葉の力と誓い

婚約宴の席。程少商は、楼垚との結婚を心に決めていた。会場に響く華やかな音楽の裏で、彼女の周囲には冷たい視線や、ささやき声が絶えなかった。中でも、ある女性からの嫌味な言葉は露骨で、空気がぴりついた。

けれど、少商は動じなかった。表情ひとつ変えずに受け流し、言葉の選び方ひとつでその場の空気を変えてみせた。相手の心に火を点けるでも、油を注ぐでもなく、静かに鎮めるような受け答えだった。誰よりも若い彼女が、その場をもっとも冷静に制した。

その裏には、母・蕭元漪との対話があった。厳格な母との距離は長く冷たかったが、この婚約をめぐって交わした言葉のなかに、少商は初めて「家族」という複雑さを理解する瞬間を見出した。母が守ろうとしていたのは、ただの体面ではなかった。娘の未来だった。

蕭元漪は反対を口にした。けれど、その語り口には以前のような断絶はなかった。少商が毅然と自分の意志を示す姿に、母は一瞬、言葉を失った。そして、ほんのわずかだが、顔をゆるませた。何かが動き始めていた。

婚約宴の終わり、凌不疑が現れる。人ごみのなか、彼は少商のもとへまっすぐに歩み寄り、「立派だった」とだけ言った。護衛のように彼女の横に立ち、宴を抜ける道を共に歩いた。

言葉は少なかったが、その行動がすべてだった。彼の横顔を見つめる少商の目には、決意とは別の、温かなものが宿っていた。守られるだけの存在ではない自分を、少しだけ誇らしく思えたのかもしれない。

その夜、彼女は静かに思った。どんな未来が待っていても、もう逃げないと。

\注目ポイントはこちら!
    • 婚約宴での冷たい視線や中傷に対し、少商が冷静な態度で応じる姿が周囲を圧倒する
    • 凌不疑の「立派だった」という一言と行動が、少商の自信と覚悟を支える力になる

「星漢燦爛」第19話 あらすじ:交差する別れと誓い

皇帝からの勅命が下り、程少商はその場で表彰を受けた。礼服に身を包み、静かに頭を下げた彼女の周りには、楼家の人々が集まり、笑顔で祝福の言葉をかけていた。だがその笑顔の輪の中で、彼女だけが遠いものを見ていた。

凌不疑の姿は、もうそこにはない。表彰の少し前、彼と二人きりで交わした会話が、頭から離れなかった。

「もう会うことはない」

彼はそう言った。静かに、しかし迷いのない声で。戦場に赴く前に、彼は少商の将来を思っていた。自分と一緒にいるよりも、自由で安全な道を歩んでほしいと。だからこそ、別れの言葉を残した。

少商はその意味を理解していた。けれど心は追いつけなかった。気丈に笑うふりをしても、胸の奥はひどく冷たかった。

その頃、楼垚は床に伏せていた。怪我が癒えず、少商に会いたいと願いながらも、その願いは叶わなかった。そんな彼に、家族は何昭君との婚姻を押し付けようとする。

「俺は断る」

楼垚はきっぱりと答えた。少商への思いを貫くためでもあり、何より家族の陰謀に巻き込まれたくなかったからだ。彼は誓った。この圧力の正体を暴き出してみせると。

一方、楼犇は静かに自らの立場を選んでいた。仕官の誘いを断り、凌不疑に馮翊郡の地図を手渡す。その理由はただ一つ、兄弟の安全のためだった。出世よりも、守るべきものが彼にはあった。

そして、何昭君。何家が反乱を起こし、すべてを失ったそのとき、生き残ったのは彼女一人だった。屋敷が焼かれるなか、彼女はただ立ち尽くしていた。忠義を尽くした家が、信じていた道が崩れ落ちた瞬間だった。

それぞれが違う場所で、違う決断を下す。だがそのすべてが、少商の表彰というひとつの瞬間に、静かに交差していた。

\この回の見どころ!/
    • 表彰を受ける少商の心に残るのは、別れの言葉を残した凌不疑との最後の会話だった
    • 各人物がそれぞれの場で決断を下す中、それぞれの選択が少商の前に静かに交差する

「星漢燦爛」第20話 あらすじ:刃の決着と母の背中

凌不疑は雍王を前にしていた。あの夜の静けさが嘘のように、部屋の空気は張りつめていた。孤城の軍械が売られたと知った時の怒り、その裏にあった家族の死への悔しさが、全てこの瞬間に集まっていた。雍王は逃げなかった。ただ認めた。愚かにも、いや皮肉にも、笑みさえ浮かべていた。剣を振り下ろしたのは、その次の瞬間だった。

復讐は果たされた。けれど、凌不疑の胸は重かった。宮中に戻ると、文帝の前で膝をつき、頭を垂れた。罪は償う、そう告げた。満足ではなく、苦しみに似たものが彼の顔を曇らせていた。

その頃、程少商は楼家との縁談に関わる話を受けていた。雍王が捕えられたことをきっかけに、程家の立場が揺れはじめていた。家のために、自分の感情は後回しにするしかなかった。彼女は楼家へ出向く決意をする。

同行したのは蕭元漪だった。娘のため、家のため、感情を押し殺してきた母は、楼家の大夫人と真正面から対峙した。言葉は鋭く、視線は揺るがなかった。策を弄する相手に対し、真っ向から名誉を守る姿勢を崩さなかった。少商はその姿を横で見つめていた。

袁慎は、少商に静かに話しかけた。家の未来を守るには、この縁談が最善だと。彼の目には迷いがあった。けれど、少商のためにと選んだ言葉だった。何昭君の過去を耳にした彼女の心には、新たな波紋が広がっていた。

凌不疑との距離は、遠くなっていた。復讐を果たした彼と、家のために揺れる自分。理解したいのに、重なることができない。けれど、それでも彼を責める気にはなれなかった。

母との絆は、確かに強くなっていた。厳しくも温かい蕭元漪の背中に、自分の居場所を見出していた。そして、袁慎の真意もまた、少商の胸に残っていた。選ぶべきは何か、見極めなければならない時が来ていた。

\見逃せないポイント!/
    • 凌不疑が雍王への復讐を果たし、罪を認めて文帝に頭を垂れる場面に彼の複雑な心情が表れる
    • 母・蕭元漪が楼家と対峙する中、少商が家と自分の感情の狭間で揺れながらも次の決断へと向かう

感想

少商の成長と孤独、凌不疑の静かな苦悩が胸に刺さる数話だった。婚約宴での毅然とした態度と、母とのわずかな歩み寄り。誇らしさと不安が混じるその瞬間に、少女だった彼女が少しずつ「大人」に近づいていくのがわかる。凌不疑の別れの言葉には、愛ではなく覚悟が込められていて、その静けさがむしろ残酷だった。
復讐を果たしても晴れない彼の顔が、何より雄弁に語っていた。誰かを守るということが、こんなにも痛みを伴うのかと。母・蕭元漪の毅然とした姿、楼垚の真っ直ぐな決意、そして何昭君の絶望。そのすべてが、少商の決断に影を落としていく。何を選ぶのか、その先に何が待つのか、胸をざわつかせたままページを閉じることになる。

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