度華年(どかねん)The Princess Royal

【ネタバレあり】「度華年(どかねん)The Princess Royal」第9話・第10話・第11話・第12話のあらすじ&感想-視聴前に知っておきたい注目ポイントも!

度華年(どかねん)The Princess Royal

政略結婚から始まった李蓉と裴文宣の関係は、静かに、そして確かに動き出す。宮廷の陰影と感情が交錯する中、彼らは自分の意志で進もうとしていた。

「度華年(どかねん)The Princess Royal」第9話 あらすじ:選んだのは、自分の色

宮中の春は、花が咲きそろうより早く人の噂が広がる。李蓉と裴文宣の婚礼が決まったと聞いた日から、都はひそやかな熱に包まれていた。

李蓉は静かに鏡の前に座っていた。絹の衣が光をはね返し、侍女たちが婚礼衣装を並べていく。裴文宣が選んだ深紅の衣も美しかったが、彼女は最後に自らの意志で、白地に金糸をあしらった衣を取った。穏やかでありながら、芯の強さを感じさせる色だった。政略のための婚姻でも、せめて自分の選んだ姿で臨みたかったのだ。

裴文宣はその選択を知ると、何も言わずに頷いた。彼は彼女を縛るつもりはなかった。前世で失ったものを取り戻すには、ただ寄り添うことしかできないと知っていた。婚礼の準備の合間、彼は彼女に近づき、穏やかな声で言う。「どんな衣を纏っても、あなたは誰よりも堂々としている」と。その言葉に李蓉は短く息をのむ。胸の奥が静かに波打っていた。

婚礼の日。鐘の音が響き、朱の帳が風に揺れる。百官が見守る中、二人は並んで歩み出た。裴文宣は一歩後ろから、李蓉の動きを見守るように歩く。その姿が、彼の誓いそのもののように見えた。

李川は、急ぎ帰京したばかりだった。姉の花嫁姿を目にした瞬間、彼の胸に複雑な感情が広がる。祝福と、不安と、少しの寂しさ。式の後、裴文宣に近づいた李川は低い声で言った。「姉上を悲しませることがあれば、その時は私が動く。」裴文宣は黙って頭を下げ、その言葉を受け止めた。

傍らでは、蘇容卿が傧相として礼を整えていた。彼の祝辞は美しく、穏やかだった。しかしその中の一節が、李蓉の心を刺した。「過ぎ去った春の記憶は、誰の中にも残るものです。」目を上げた瞬間、彼と視線が交わる。ほんの一瞬のことだったが、胸の奥に眠っていた過去の感情がかすかに目を覚ます。

式が終わり、夜の灯が宮を照らす。李蓉は高台から庭を見下ろしていた。風に揺れる灯籠の光が、彼女の横顔を淡く照らす。裴文宣が静かに近づき、そっと彼女の隣に立つ。二人の間には、まだ距離があった。けれどその沈黙は、かつての冷たさではなく、互いを理解しようとする静かな余白だった。

この夜を境に、彼らの婚姻は政略の枠を越え、少しずつひとつの物語として動き始める。李蓉の選んだ衣のように、彼女の人生もまた、自分の意志で彩られていくことになるのだった。

\ここがポイント!/
  • 李蓉は政略結婚であっても「自分の意志で選ぶ姿勢」を貫き、婚礼衣装にもそれが現れる描写が印象的。
  • 裴文宣、李川、蘇容卿――それぞれの立場と思惑が交錯する中、婚礼の場で生まれる静かな感情の波が心に残る。

「度華年(どかねん)The Princess Royal」第10話 あらすじ:逃げる友、追う想い

夜明け前の薄明かりの中、李蓉は鏡の前で髪を整えていた。裴文宣と並んで出かけるのは、久しぶりのことだった。重苦しい沈黙が続く馬車の中で、彼女は彼の横顔を盗み見る。かつては冷たく感じたその表情が、今はどこか柔らかく見えた。

目的は上官雅の行方を追うこと。彼女の婚約話 あらすじ:が進んでいたはずなのに、突然姿を消したという報せが入った。李蓉はただの噂ではないと感じていた。裴文宣も同じ考えだったが、その理由を互いに口にはしなかった。

辿り着いたのは、賭場の裏路地だった。酒と煙の匂いが混ざる空気の中、李蓉は男装した上官雅を見つけた。派手な衣をまとい、冷静な手つきで賽を振る彼女の姿に、言葉を失う。上官雅は目の前の二人に気づき、ほんの一瞬、表情を曇らせた。

「見なかったことにしてほしい」
その声は低く、震えていた。李蓉は何も言わず、ただ見つめ返した。かつての友の姿はそこになく、必死に何かから逃れようとする女の影があった。裴文宣は彼女の前に立ち、静かに言葉をかける。「逃げ続けるのは、お前らしくない」

短い沈黙のあと、上官雅は視線を落とした。過去の傷と家の期待。そのすべてが彼女をこの場所へ追いやったのだと、李蓉は悟る。彼女を責めることなどできなかった。

その帰り道、李蓉は裴文宣に問いかけた。「あなたは、彼女をどう思っているの」
裴文宣はしばらく考えたあと、答える。「守りたいと思っていた。でも今は、お前を守りたい」
その言葉に、李蓉は目を伏せた。冷えきっていたはずの心に、温かなものが広がっていく。

一方、李川は屋敷で報せを待っていた。姉の無事を祈りながら、上官雅の名を心の中で繰り返す。彼の感情は、姉への忠義と彼女への想いの狭間で揺れていた。

夜、李蓉は机に向かい、筆を取った。今日見た上官雅の姿が、心に残って離れない。人は皆、何かを守るために嘘をつく。そう気づいた時、彼女の中で何かが静かに変わり始めていた。

裴文宣の声が廊下から聞こえる。小さな灯が揺れ、二人の影が重なった。その距離はまだ遠い。けれど、ようやく歩み寄るための一歩が、そこにあったという。

\注目ポイントはこちら!/
  • 上官雅の失踪と変わり果てた姿を通じて、李蓉が「人が嘘をつく理由」を深く理解していく内面の成長が描かれる。
  • 裴文宣の「守りたい対象の変化」に象徴されるように、李蓉と彼の距離が確実に近づき始める重要な転機となる回。

「度華年(どかねん)The Princess Royal」第11話 あらすじ:香りに宿る誓い

宮中の庭には春雨の香りが満ちていた。皇后が主催する宴の日、李蓉は刺繍台の前に座り、細い指で糸を通していた。香囊を作る競技――それは見た目の美しさだけでなく、心の静けさと品位が試される場でもあった。周囲では上官雅をはじめ、名家の娘たちが手際よく布を縫い合わせている。空気には張り詰めた緊張が漂っていた。

李蓉は一針一針を丁寧に進めながら、目を閉じて香草の香りを確かめた。心を乱せば糸が絡む。彼女はそれを誰よりも知っていた。やがて香囊が形を成した時、会場は静まり返った。金糸の文様が光を受け、柔らかく輝く。皇帝はその作品を手に取り、微笑んだ。その一瞬、李蓉の名が宮中に響いた。称賛と注目が、彼女のもとへ集まっていく。

その光景を、上官雅は静かに見つめていた。勝者の笑みの奥にある強さを見て、胸の奥がざわついた。自分もまた、皇后の意向でこの場に立っている。だが李蓉の姿には、計算では届かない気高さがあった。掌の汗をぬぐいながら、上官雅は息を吐いた。香りの漂う空間が、急に遠く感じられた。

宴が終わるころ、空は灰色に染まり、細い雨が降り始めた。李蓉が回廊を歩くと、裴文宣がその前に立っていた。濡れた髪から雫が滴り落ちる。彼は何も言わず、ただ彼女を見つめていた。李蓉が言葉を探すより早く、裴文宣は一歩近づき、低い声で告げた。もう、離したくないと。雨の音に溶けるようなその言葉が、李蓉の胸に響いた。彼女は黙って頷き、微笑んだ。冷たかった雨が、少しだけ温かく感じられた。

一方、李川は別の場所で窓の外を見つめていた。秦真真の姿が頭から離れない。彼女の笑顔も、沈黙も、何ひとつ掴めないままだった。太子という立場が、言葉を重くしてしまう。素直な気持ちを伝えようとしても、政治の影がそれを遮った。

秦真真もまた、雨音を聞きながら考えていた。李川の真っ直ぐな想いに応えたい気持ちがありながら、その立場が怖かった。もし心を許せば、彼を苦しめることになる。彼女は唇を噛み、灯の消えた部屋で目を閉じた。

夜が更け、雨がやむころ、李蓉は窓辺に立っていた。香囊から漂う香りが、淡く部屋を満たしている。今日の勝利も、明日の平穏も、決して永遠ではない。それでも今だけは、裴文宣の言葉が胸に残っていた。雨に濡れたその声が、彼女の心に静かな灯をともしていた。

\この回の見どころ!/
  • 宮中の競技という舞台を通じて、李蓉の精神的な強さと静かな気高さが際立ち、周囲からの注目が集まる場面が描かれる。
  • 雨の中で交わされる裴文宣の「もう離したくない」という言葉が、二人の感情の確かな変化を象徴しており感動的。

「度華年(どかねん)The Princess Royal」第12話 あらすじ:守るための決別

李蓉は、選妃宴の準備に追われていた。弟・李川のための宴でありながら、心のどこかで不安を抱えていた。彼の選択が、過去と同じ悲劇を招くのではないかという予感が拭えなかったのだ。前世の記憶が、何度も頭をかすめる。笑顔の裏に潜む陰謀の影。その流れを変えなければならないと、彼女は静かに決意していた。

その夜、秦真真の誕生宴が開かれた。灯りの揺れる広間で、李川が彼女を見つめる視線を李蓉は見逃さなかった。淡い思慕が、弟の瞳に宿っている。だが、その恋が危ういものであることを李蓉は知っていた。秦家は世家の標的となりつつあり、もし李川が彼女を選べば、家全体が巻き込まれる。李蓉は、弟を守るために、あえて冷たく振る舞うことにした。

「その娘を選ぶべきではない」
声を荒げることはなかった。ただ、決意を帯びた言葉だった。李川は唇をかみ、姉を見返す。彼女の意図を理解しながらも、心は従えない。秦真真を守りたいという思いが、理屈を越えてあふれていた。

裴文宣は、そのやり取りを遠くから見つめていた。李蓉が弟を思うあまり、誰よりも孤独になっていることを感じていた。そっと声をかけようとしても、彼女の背中には強い意志があった。支えたいのに、届かない距離。前世で失った信頼を取り戻したいと願いながらも、彼女の視線が他に向かうたび、胸の奥が痛んだ。

宴の終盤、李川はついに姉の言葉を拒んだ。人前でのその一言が、すべての均衡を崩した。世家は動き出し、秦家への圧力が始まる。李蓉の予感は的中したが、それは同時に彼女自身の孤立を意味していた。弟を守るための行動が、弟との絆を壊してしまったのである。

裴文宣は沈黙のまま、李蓉の傍に立った。何も言わず、ただ彼女の肩に手を置いた。守るために選んだ道が、また新たな痛みを生む。その現実を、二人とも分かっていた。

夜が深まる頃、李蓉は一人、灯りの消えた庭に立っていた。遠くで春の風が木々を揺らしている。守りたかったのは弟の未来だったのか、それとも自分の記憶だったのか。答えのない問いが、静かに胸を締めつけていた。

\見逃せないポイント!/
  • 李蓉が過去の悲劇を繰り返させまいと、秦真真と弟・李川の関係に介入する決断が、結果として自身の孤立を招く展開が切ない。
  • 裴文宣の「寄り添いたいのに距離がある」という描写が、今後の二人の関係におけるテーマ性を強く印象づける構成となっている。

感想

静かな視線の交差や言葉の温度から、登場人物たちの繊細な心の揺れがじわじわと浮かび上がってくる。誰かを守りたいという想いが、時にすれ違いを生みながらも物語を深くしていく。心を決める瞬間の描写が印象的な数話だった。

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